本日開園 9:00–17:00(最終入園 16:30)/毎週水曜休園

チケット・アクセス

どうぶつ物語

飼育員が毎日見守る動物たちの姿。 一頭一頭の個性と日常を、オリジナルの短編でお届けします(全20話)。

レッサーパンダ「あかり」
小型哺乳類

あかりの木登り

レッサーパンダ「あかり」 の物語

秋の朝、飼育員の田中さんが展示場に入ると、あかりは高い枝の上で丸くなって眠っていました。「あかり、おはよう」と声をかけると、ゆっくり目を開けて大きなあくびをします。朝ごはんのリンゴとタケノコを置くと、するすると木を降りてきました。食べ終わると再び枝から枝へ軽やかに移動します。子どもたちが「サーカスみたい!」と歓声をあげるなか、あかりは得意げに尻尾をふり、木の上から見下ろす景色を楽しんでいました。木の上の景色が、あかりの一番のお気に入りなのです。

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ニホンザル「こたろう」
日本固有種

こたろうの温泉

ニホンザル「こたろう」 の物語

冬の寒い日、展示場の温泉にゆっくりと浸かるこたろうの姿がありました。首まで湯に浸かり、目を細めて気持ち良さそうです。飼育員の山本さんは「こたろうは温泉の入り方を若いサルたちに教えるんですよ」と笑います。ある日、新しく仲間入りした若いメスが温泉を怖がっていました。こたろうは自分が入る姿を見せ、手を伸ばして優しく誘います。少しずつ慣れた若いサルがやっと端に足を入れると、こたろうは満足そうに頷きました。リーダーとしての温かい心が、群れ全体を包んでいます。

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シロフクロウ「ゆき」
猛禽類

ゆきの見張り

シロフクロウ「ゆき」 の物語

冬の午後、雪がちらつき始めた日のこと。ゆきは止まり木の一番高いところに座り、首を回して周囲を見渡していました。飼育員の小林さんが近づくと、ゆきは静かに彼を見つめます。「今日は雪が降りそうですね」と話しかけると、一度瞬きをしました。まるで返事のようです。餌のマウスを置くと、音もなく舞い降り、鋭い爪で掴みました。その静かさと正確さに来園者は息を呑みます。食事を終えたゆきは再び高い場所へ戻り、降り始めた雪を眺めていました。黄色い瞳には、遠い北の大地の記憶が映っているようでした。

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ツキノワグマ「つきよ」
大型哺乳類

つきよの森

ツキノワグマ「つきよ」 の物語

つきよがカムリキソウにやってきたのは4年前の春でした。人里近くで保護された彼女は、最初は人を恐れ、展示場の奥に隠れていました。飼育員の中村さんは毎日静かに話しかけ、果物や木の実を置いて去りました。「焦らず、つきよのペースで」。半年が過ぎ、つきよは大きなクヌギの木を気に入り、器用に幹を登って昼寝するようになりました。ある秋の日、木の実を前足で器用に剥く姿を見せ、来園者から驚きの声が上がりました。「ここで本来の習性を取り戻してくれています」と中村さん。胸の三日月模様が、秋の陽射しに照らされて輝いています。

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カワウソ「うみ」
水辺の動物

うみの水遊び

カワウソ「うみ」 の物語

プールにドボンと飛び込む音が聞こえると、うみの水遊びが始まった合図です。飼育員の伊藤さんが氷の中に小魚を入れたおもちゃを投げ入れると、うみは競うように飛び込みました。器用な前足で氷を探る姿は、まるで宝探しのようです。ある日、少し体調を崩したときは、展示場の隅で丸くなり、伊藤さんの声だけにはゆっくり顔を上げました。「調子はどう?」と問いかけると、短い鳴き声で返事をしてくれます。今日もうみは、プールの中でくるくると泳ぎ、来園者の顔を笑顔にしています。

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アムールヒョウ「かえで」
大型肉食動物

かえでの視線

アムールヒョウ「かえで」 の物語

夕暮れ時、展示場の一番高い岩の上にかえでは静かに座っています。金色の目で来園者を、空を、山々を見つめています。アムールヒョウの野生個体はごくわずかと言われ、かえでは繁殖プログラムの一環として当園で大切に保護されています。飼育員の林さんは「かえでは賢いんです。給餌の時間を正確に覚えています」と話します。ある冬の朝、雪の中を優雅に歩く姿は、まるで雪の女王のようでした。「彼女の子孫がいつか野生の森に戻れる日を願っています」と林さん。かえでは今日も、高い場所から未来を見つめています。

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キタキツネ「こん」
日本の野生動物

こんの夕暮れ

キタキツネ「こん」 の物語

雪が積もった夕方、こんは展示場の斜面に静かに立っていました。オレンジ色の毛が夕陽に照らされ、まるで狐火のように見えます。飼育員の斎藤さんが近づくと、こんは一度後ろを振り返り、また前方を見つめました。「今日も見回りお疲れ様」と声をかけると、耳だけがぴくりと動きます。こんは保護された個体で、最初は人の気配にすぐ隠れました。今では斎藤さんの足音を聞き分けるようになり、餌の時間には姿を見せてくれます。子どもが「きつねさん、きれい!」とささやく声に、こんはゆっくり尻尾をふりました。信州の山に生きる狐の、静かな誇りがそこにありました。

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アムールトラ「たろう」
大型肉食動物

たろうの朝散歩

アムールトラ「たろう」 の物語

開園前の静かな時間、たろうは展示場をゆっくりと一周します。一歩一歩に重みがあり、足跡が朝露の草の上に残ります。飼育員の渡辺さんは「この時間のたろうが一番リラックスしているんです」と言います。ある雨の日、たろうは岩陰でじっと雨音を聞いていました。雨が止むとすぐ立ち上がり、濡れた地面の匂いを嗅ぎ始めます。来園者が「王様みたい」と呟いたとき、たろうはこちらを一瞬見つめ、また歩き続けました。その視線には、野生の森を生きてきた祖先の記憶が宿っているようです。

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ライオン「おうじ」
大型肉食動物

おうじの日向ぼっこ

ライオン「おうじ」 の物語

午後の陽射しが差し込むと、おうじは決まって岩の上に陣取ります。たてがみが風に揺れ、来園者からは「絵になる!」という声が上がります。飼育員の松本さんは「おうじは実は甘えん坊なんです。朝の健康チェックではゴロゴロ喉を鳴らしますよ」と明かします。ある夏の日、子どもが「ライオンさん、おはよう!」と大きな声で挨拶すると、おうじはゆっくり顔を上げ、しばらくじっと見返しました。王者の風格と、意外な優しさが同居する——それがおうじの魅力です。

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ニホンジカ「もみじ」
日本固有種

もみじの秋

ニホンジカ「もみじ」 の物語

落ち葉が舞う秋の朝、もみじは草地に伏せて静かに周囲を見ていました。角に朝露がきらきらと光ります。飼育員の井上さんは「もみじは音に敏感で、子どもの笑い声には耳を立て、風の音には落ち着いています」と観察ノートに書いています。ある日、落ち葉の山を作ると、もみじはそっと近づき、鼻先で葉っぱをくすぐるように嗅ぎました。その仕草に、来園者から小さな拍手が起きています。信州の秋を体現するような、もみじの一日でした。

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キングペンギン「ぽーろ」と「ぺん」
海鳥

ぽーろとぺんの散歩

キングペンギン「ぽーろ」と「ぺん」 の物語

午前11時、飼育員の青木さんが「散歩の時間だよ」と声をかけると、ぽーろとぺんはゲートの前に並びます。二羽はいつもほぼ同じ間隔で歩き、時々顔を見合わせます。雨の日は足元を気にしてゆっくり歩き、晴れの日は少し速足になります。「まるで夫婦の朝の散歩みたい」と来園者。ある冬の朝、風が強くてぺんが立ち止まったとき、ぽーろもすぐ隣で待ちました。その小さな思いやりが、南極の海からやってきた二羽の絆を物語っています。

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インドクジャク「にしき」
鳥類

にしきの羽開き

インドクジャク「にしき」 の物語

初夏の午後、にしきは園内の広場で突然羽を広げました。青と緑と金色が陽に輝き、子どもたちから「わあっ!」という声が上がります。飼育員の森さんは「にしきは人が少ないときほど、ゆっくり羽を見せることがあります」と話します。羽を畳んだあとも、にしきは少し得意げに首を振りました。派手さの中に、鳥としての誇りと、静かな気品がある——それがにしきの魅力です。

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ホオジロカンムリヅル「きん」と「ぎん」
鳥類

きんぎんの朝の挨拶

ホオジロカンムリヅル「きん」と「ぎん」 の物語

開園前の静けさのなか、きんぎんは向かい合ってくちばしを近づけます。金色の冠が朝日に輝き、まるで儀式のようです。飼育員の石川さんは「この挨拶を見ると、今日も一日が始まるんだなと感じます」と言います。来園者がカメラを構えても、二羽は慌てず、ゆっくり距離を保ちます。派手なショーではなく、静かな絆——それがカムリキソウのヅルたちの物語です。

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レインボーロリキート「にじ」
鳥類

にじのフルーツタイム

レインボーロリキート「にじ」 の物語

正午になると、にじはケージの端でそわそわし始めます。飼育員の加藤さんがフルーツ皿を出すと、青い頭をかしげて「キー!」と一声。オレンジ色のくちばしで器用に果実を摘む姿は、小さな職人のようです。雨の日も晴れの日も、にじの色は園内の空気を明るくしてくれます。「虹みたい!」と子どもが指差すたび、加藤さんは微笑みます。色で人を元気にする——それがにじの役目なのかもしれません。

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キタリス「くるみ」
小型哺乳類

くるみの貯め込み

キタリス「くるみ」 の物語

秋になると、くるみは忙しくなります。木の実を頰に入れ、あちこちに埋めるのです。飼育員の藤田さんは「埋めた場所を全部覚えているのか、それとも探すのも楽しいのか——どちらでしょうね」と笑います。ある日、子どもが「リスさん、がんばって!」と声をかけると、くるみは一瞬止まり、また走り出しました。小さな体で大きな季節を生きる姿に、森のリズムを感じます。

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ハクトウワシ「はやて」
猛禽類

はやての飛行

ハクトウワシ「はやて」 の物語

霧のかかった午後、はやては飼育員の岡田さんの合図で翼を広げました。白と茶のコントラストが空に浮かび、来園者からどよめきが起きます。着地は静かで、まるで風そのものです。「はやては毎日の信頼関係で飛んでくれます。無理はさせません」と岡田さん。ある日、強風でデモを中止したとき、はやては止まり木で静かに羽を整えていました。飛ぶことも、飛ばないことも、鳥の尊厳の一部なのです。

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アフリカゾウ「そら」
大型哺乳類

そらの砂浴び

アフリカゾウ「そら」 の物語

暑い午後、そらは鼻で砂をすくい、背中にパラパラとかけ始めました。子どもたちが「やってる!」と指差すと、そらは一層元気に砂浴びを続けます。飼育員の村上さんは「そらにとって砂浴びは体温調節であり、遊びでもあります」と説明します。ある朝、そらは村上さんの靴を鼻先でそっと触れました。「おはようの挨拶です」——大きな体に宿る、小さな優しさに心が温かくなります。

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ジャイアントパンダ「めい」
大型哺乳類

めいの竹時間

ジャイアントパンダ「めい」 の物語

朝9時半、めいは竹の山の前に座ると、まずは匂いを丁寧に嗅ぎます。気に入った一本を選び、前足で抱えてカリカリと音を立てて食べ始めました。飼育員の佐藤さんは「めいは甘い筍が好きですが、繊維の多い葉もきちんと食べます」と記録します。雨の日はめいの動きがゆっくりになり、晴れの日は少し遊びっぽくなります。黒と白のコントラストの向こうに、一頭の個性ある暮らしがあります。

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ヒツジ「わた」
ふれあい牧場

わたのふれあい

ヒツジ「わた」 の物語

ふれあい牧場の門が開くと、わたはゆっくりと来園者の方へ歩いてきました。子どもが手のひらに野菜を乗せると、わたは丁寧にくわえます。飼育員の中島さんは「力強く食べないよう、わたは訓練されています。怖がらせないことが大事」と伝えます。ある日、小さな子が怖がって後ろに下がると、わたも一歩下がって待ちました。優しい距離感を知っている動物——それがわたです。

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ウシ「ミルク」と「バター」
ふれあい牧場

ミルクとバターの夕方

ウシ「ミルク」と「バター」 の物語

夕方4時、牧場のゲートが開くとミルクとバターは並んで草地へ出ていきます。夕陽が背中を染め、穏やかな時間が流れます。飼育員の吉田さんは「二頭はいつも近い距離で過ごします。離れると声で呼び合うこともあるんです」と話します。来園者がフェンス越しに手を振ると、ミルクがゆっくり顔を上げました。山の動物園の一日は、こうした静かな景色で締めくくられます。

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飼育員より

カムリキソウで暮らす動物たちは、一頭一頭が異なる個性を持っています。 毎日の観察を通して、彼らの小さな変化や成長を見守ることが、私たち飼育員の喜びです。

ここに綴った物語は、日々の記録から生まれたオリジナルです。 ご来園の際には、ぜひ動物たちの表情や行動をじっくりとご覧ください。

カムリキソウウィルドライフ 飼育チーム一同